
運動後に膝の内側が痛くなる! 鵞足炎の症状・原因・治療方法
こんな医療記事、見たことない!
この記事は、日本一分かりやすい鵞足炎のコンテンツを目指して作成しています。一般の方には必要ない専門的な情報を省き、図やイラストを多用することで、サッと読むだけ(赤太字だけを読めば、1~2分で概略が分かる。)でも理解できるようにしました。医師監修のもと、信頼性の高い情報のみを取り上げています。

マラソンやサッカーなど、足を酷使するスポーツをしていると足に痛みを感じることがあります。筋肉疲労が原因ということもありますが、膝の裏側に頻繁に痛みを感じる場合は、鵞足炎になっているかもしれません。
鵞足炎を放置すると、安静にしていても痛みが生じ、日常生活に支障が出ることもあるため、重症化する前に対策をとることが大切です。
この記事では、鵞足炎の原因や症状・治療方法について、イラストや図を使って分かりやすく解説します。
鵞足炎とは
鵞足炎とは、運動をした後で膝の内側に痛みを感じる病気です。縫工筋・薄筋・半腱様筋の3つ腱が集中していている場所(鵞足)が炎症を起こし、痛みが起こります。
- 痛みをがまんしてスポーツを続けていると、重症化しやすくなる。
- サッカーやマラソンなど後ろ足に負荷がかかるスポーツをしすぎると発症リスクがアップする。
鵞足炎の症状
症状一覧
鵞足炎によって現れる症状を一覧できるように図にしました。

症状の現れ方
鵞足炎の症状の現れ方を順を追って説明します。

症状の推移
足を動かしたときに膝の裏側に痛みを感じる
鵞足炎になると、膝を動かしたときにひざ裏からすねにかけての部分に痛みを感じます。初期のころは、足をいっぱいにのばしたときや膝の屈伸運動をしたときに痛みを感じやすいでしょう。
日常生活をしているときも膝の裏側に痛みを感じる
階段の上り下りなど、日常生活をしているときにも痛みが出るようになります。
安静にしていても膝の裏側に痛みを感じる
鵞足炎が重症化するとじっとしていても膝の裏側からすねにかけて痛みを感じるようになり、日常生活に支障が出るようになります。
関連疾患
鵞足炎の原因
鵞足炎は、スポーツをしている人に起こりやすいものですが、スポーツ以外の原因でも発症することもあります。ここでは、鵞足炎が発症する原因を紹介します。

スポーツのし過ぎ
鵞足炎は、マラソンやサッカーなど足を後ろに強く蹴り上げる動作を行うスポーツを行っていると、発症しやすくなります。痛みを我慢してスポーツをしていると、症状が急激に進むこともあるでしょう。

運動不足
運動不足だった人が、十分にストレッチなどをしないまま急に長距離を走ったりすると、すぐに鵞足炎を発症することもあります。肥満の人ほど、発症リスクが高まります。

歩き方や靴選び
X脚の人は、歩く際足の内側にだけ体重がかかりやすく、鵞足炎を発症しやすくなります。足の内側だけに体重がかかりやすくなるようなデザインの靴を履いている場合、リスクがさらにアップします。

硬い地面での運動
アスファルトのような硬い地面の上で長時間ランニング等の運動をしていると、発症リスクがアップします。
鵞足炎の検査・診断方法
ここでは、鵞足炎の検査・診断方法を紹介します。

問診
患者さんが縫工筋・薄筋・半腱様筋の3つ腱が集中していている場所(鵞足)に痛みを感じるか、膝を屈伸する際に痛みを感じるかなどを質問します。

触診
鵞足部分を圧迫した際に鵞足部の動きに合わせて痛みが移動するか、内側ハムストリングスのストレッチをした際に痛みがあるかなどを確認します。

下肢挙上試験(SLRテスト)
仰向けに寝た患者さんの足を医師がまっすぐに持ち上げてみて、鵞足に沿った痛みが出るかどうか確認します。

MRI検査
鵞足炎以外に、すねの骨近辺の疲労骨折が疑われる場合は、MRI検査を行います。MRI検査をすることで、外骨種の状態や大きさ、手術の必要性を確認します。
鵞足炎の治療方法
鵞足炎は無理をして足を動かすほど症状が悪化します。ここでは、鵞足炎の治療方法について解説します。
保存療法
保存療法とは、安静にして鵞足部の炎症を抑え、アイシングやテービングをして腱の負荷を軽くする治療方法です。

炎症を抑える
鵞足部の炎症を抑えるため、抗炎症剤等を用いて治療します。
安静にする
安静にして炎症が治まるのを待ちます。この間、スポーツ等は休む必要があります。
テーピングなど
テーピングで鵞足部の負荷を軽くしたり、靴に足底板を敷くことで体重が均等にかかるようにして再発を防ぎます。
手術療法
脛骨の外骨腫が鵞足炎の原因である場合は、骨の切除を行います。

外骨腫の除去
脛骨の外骨腫が鵞足炎の原因となっている場合や、脛骨の外骨種が急に成長した場合は手術を行って取り除きます。
まとめ(病気に気付いたら)

放っておくと
鵞足炎を放置した場合、安静にしていても膝の裏側からすねのあたりにかけて痛みが起こるようになります。常時痛みが起こると、日常生活に支障が出ます。
症状に気付いたら
足を動かしているとき、足の裏側に頻繁に痛みを感じる場合は、無理してスポーツ等を続けてはいけません。すぐに整形外科を受診してください。