
膝に痛みや引っかかり感がある! 膝半月板損傷の症状・原因・治療方法
こんな医療記事、見たことない!
この記事は、日本一分かりやすい膝半月板損傷のコンテンツを目指して作成しています。一般の方には必要ない専門的な情報を省き、図やイラストを多用することで、サッと読むだけ(赤太字だけを読めば、1~2分で概略が分かる。)でも理解できるようにしました。医師監修のもと、信頼性の高い情報のみを取り上げています。

膝を動かすと痛みを感じる。膝の可動範囲が狭まってきた。こんな悩みを抱えている人はいませんか? その症状は、膝半月板損傷かもしれません。
半月板損傷は、放っておくと損傷がひどくなって、膝に水がたまったり、膝が動かせなくなったりすることもあります。そのため、一刻も早い治療が求められます。
この記事では、膝半月板損傷の原因や症状・治療方法について、イラストや図を使って分かりやすく解説します。
膝半月板損傷とは
半月板損傷とは、膝関節を構成している半月板という軟骨が損傷することです。半月板のみが損傷する場合と、前十字靱帯損傷(ぜんじゅうじじんたいそんしょう)と合併して起こる場合があります。
- すべての年代で起こる可能性がある。
- 40代以降になるとちょっとしたケガでも半月板を損傷しやすくなる。
- 半月板は、大腿骨と脛骨の間にあるC型をした軟骨の板で、膝にかかる衝撃を和らげるクッションの役割や関節の安定性をよくする役割を担っている。
膝半月板損傷の症状
症状一覧
膝半月板損傷によって現れる症状を一覧できるように図にしました。

症状の現れ方
膝半月板損傷の症状の現れ方を順を追って説明します。

症状の推移
軽い疼痛が起こる
半月板だけに軽く亀裂が入っただけでは、症状がでないか軽い疼痛だけが起こります。半月板が損傷したと気がつかないケースも珍しくありません。
痛みや引っかかり感、膝の運動制限
半月板の受傷がくり返し起こったり、前十字靱帯損傷を併発したりすると、痛みや引っかかりを感じ、膝の屈伸運動が十分にできなくなる運動制限が起こります。受傷の程度によっては、損傷された半月板が雑音を立てたり、半月板の断片が膝に挟まって伸びなくなったりすることもあります。
強い痛みを感じ、動けなくなる
前十字靱帯損傷を損傷した場合、膝に強い痛みがはしりその場で動けなくなることもあります。
内出血が起こる
受傷直後に膝関節内に血がたまることもあります。
膝関節内に水がたまる
受傷してから時間がたつと、関節に水がたまることもあります。
関連疾患
膝半月板損傷の原因
膝半月板損傷は、誰もが起こりうるものです。ここでは、半月板損傷が起こる原因を解説します。

スポーツのやりすぎ
半月板は、膝の外側(膝こぞうがある側)と内側に1枚ずつあります。内側半月板は、スポーツなどで膝を不自然に曲げたり、膝を酷使したりすると、半月板を損傷しやすくなります。また、準備運動不足で運動をすることも損傷の原因です。

自然発症
外側半月板が生まれつき平均より大きい場合、普通に膝関節を動かしているだけでも損傷することがあります。損傷が軽微なうちは軽い疼痛が起こる程度ですが、損傷がくり返し起こると半月板が割れて激しい痛みやロッキング現象が起こります。

加齢
40代以降になると、半月板は変形したり損傷しやすくなったりします。そのため、30代まででは問題なかった動きでも半月板が損傷する可能性があります。

先天性のもの
幼児期に判明する半月板損傷は、先天性の円板状半月損傷がほとんどです。先天性の円板状半月板損傷の場合、膝を伸ばせない伸展障害が症状として現れます。
膝半月板損傷の検査・診断方法
膝半月板損傷を診断するには整形外科で検査をしてもらう必要があります。検査や診断方法について解説します。

MRI検査
半月板損傷が疑われる場合は、MRI検査を行います。単純X線検査(レントゲン)では、半月板を写すことができず診断はできません。MRI検査を行えば、靱帯損傷が併発した場合も診断ができます。

関節鏡検査
関節用の内視鏡を関節腔(かんせつくう)内に挿入し、関節の状態を確認する関節鏡検査が行われることもあります。関節鏡検査は、検査後そのまま手術に移行することもできます。
膝半月板損傷の治療方法
半月板損傷の治療方法は、損傷の程度によって治療方法が異なります。ここでは保存療法と手術療法の方法について解説します。
保存療法
保存療法とは、安静にして鎮痛剤等で痛みをコントロールして半月板の回復を待つ治療方法です。痛みがなくなった後はリハビリをして再発を防ぎます。

抗炎症の投与
痛みが出ている場合は、抗炎症剤などを投与して痛みの緩和をはかります。痛みが出ている間は安静にして、スポーツ等は行わないようにしてください。
リハビリ
痛みがなくなり、検査で半月板の回復が確認できたら適度な運動でリハビリを行います。リハビリは理学療法士などの指導で行い、自己流で行わないようにしましょう。
手術療法
半月板損傷をくり返したり、損傷が重度だったりする場合は手術が勧められます。半月板を縫合したり切除したりする手術です。

手術の流れ
検査と説明
関節鏡検査やMRI検査を行い、半月板の状態や手術の方法を医師から説明されます。
関節鏡手術
半月板損傷手術の多くが、関節鏡手術で行います。関節鏡手術は傷が最小限で済み、回復も早いのが特徴です。
経過観察
手術後は、医師が定期的に経過を観察します。手術後は、医師が定期的に経過を観察します。
まとめ(病気に気付いたら)

放っておくと
半月板損傷を放置しておくと、半月板の損傷がひどくなったり関節に水がたまったりすることがあります。また、痛みを我慢していると、膝に無理な負担がかかり靱帯損傷が併発する可能性もあるため注意が必要です。
症状に気付いたら
半月板損傷が疑われた場合は、できるだけ早く整形外科を受診してください。半月板損傷は自然治癒することはまれです。軽傷のうちに適切な治療を行えば、再発を防ぐこともできます。